T型フィルタ
T型フィルタ計算方法
定K型ロ−パスフィルタ(π型フィルタ)
バンドパスフィルタ
オ−ディオフィルタ

T型フィルタ

2つのトロイダルコアとトリマ−で構成される、非常に簡単なものです。


T型フィルタ

コアはT-50-12を使用しました。0.5mmのエナメル線を17回巻きます。トリマ−は10Pです。


T型フィルタの周波数特性

やはり減衰量の方は少ないようです。76MHzの2倍の150MHz付近で30dB程度となっています。黄色のラインはVSWRで、青の方が周波数特性を表しています。
76MHzではVSWRは1.1以下になっています。

T型フィルタ計算方法

L=(QL・Zo)/2πf {H}
C=1/(π・f・QL・Zo) {F}
QLは3〜10に選ぶ

例えば周波数76.7MHzの場合
QL=5とすると
L=0.518uH
C=16.6pF

トロイダルコアT-50-12を使うとすると、巻き数は次のようになります。
N=100・SQR(L2/L1)
L1=100回当たりのインダクタンス
L2=希望するインダクタンス

T-50-12のL1(100回当たりのインダクタンス)は18uH
今回は0.518uHを求めたいわけですから
N=100・SQR(0.518/18)=16.96回すなわち17回巻きとなります。

π型フィルタ

L=Zo/(2πf)
C=1/(2πf・Zo)
以上の式で計算出来ます。

周波数76.7MHzの場合
L=0.1uH
C=41.5pF
下記の表よりM−45Tあたりを使用すればよいことになります。

東光のRFコイル
品名中心周波数同調範囲Qu
同調容量
M−15T100MHz68±4.1pF0.035uH150
M−25T100MHz38±2.7pF0.056uH150
M−35T100MHz22±2.7pF0.083uH150
M−45T100MHz14±0.6pF0.12uH150
M−55T100MHz11.5±0.5pF0.14uH150
M−65T58MHz26±0.8pF0.17uH150
M−75T58MHz21.8±0.9pF0.20uH150
M−85Tp.p原色58MHz18±0.4pF0.24uH150

FM帯用のロ−パスフィルタを作ってみました。
通過周波数76〜90MHzです。
減衰周波数は2倍の152〜180MHzとします。


FM帯ロ−パスフィルタ。π型3段。コンデンサはすべて43P。
コイルは45Tを使用。M45Tのコアはぬいてしまう。


FM帯ロ−パスフィ76MHzで0.1dB、90MHzで0.2dB
152MHzで48dB、180MHzで63dB。
VSWRは帯域内で1.2以下となった。


FM帯ロ−パスフィルタ。π型5段。コンデンサはすべて43P。
コイルは45Tを使用。真ん中のコアはVSWR調整のためいれた。


FM帯ロ−パスフィ76MHzで0.2dB、90MHzで0.4dB
152MHzで80dB、180MHzで81dB。
VSWRは帯域内で1.2以下となった。

このぐらいの減衰量だと各コイル間の結合も関係してくるので、コイルの間はシ−ルド板で遮断した方が効果がでる。


真ん中のコアの位置

バンドパスフィルタ

バンドパスフィルタの特性です。
トリマ−の赤は8P、青は20Pです。コイルのQが低いので減衰量は2fで38dBとなりました。
またこの影響で、挿入損失も多めで1dBあります。
送信用より中継局の受信用に使用するといいかもしれません。


中心周波数76.7MHz、挿入損失1dB、90MHzでの減数量は25dB


2fでの減数量は約40dB。


コアは抜いてしまう。赤の真ん中のトリマ−を小さい値にすると減衰は増えるが、ロスも増える・・・・・

オ−ディオフィルタ

FMの伝送周波数帯域は30Hz〜15KHzです。しかしCDなどは20KHzあたりまでの音声が含まれています。
15KHz以上の信号が入ると、パイロット信号を妨害することになり有害です。
このフィルタ−は8次チェビシェフロ−パスフィルタで16KHz以上の信号をカットします。通過域でのリップルは±1dBです。


19KHzでの減数量は35dB。


回路図